『コードネーム:オーバーロード作戦』(Operation Overlord)
2021年・アメリカ 監督/ブレット・ベントマン
出演/トム・ハルム/ビリー・ブレア/ステイシー・シェフィールド/トム・ゼンブロード
ノルマンディー上陸作戦が開始される1週間前の話ということでそれなりに期待したが、戦争映画なのに状況設定が甘過ぎてとてもじゃないけど記録に残すものはない。
『コラテラル』(Collateral)
2004年・アメリカ 監督/マイケル・マン
出演/トム・クルーズ/ジェイミー・フォックス/ジェイダ・ピンケット=スミス/マーク・ラファロ
タクシーの運転手は様々なお客を乗せて、様々な経験をしているだろう。 最後までトム・クルーズだとの確信はなかった。調べてみたら初めての悪役だったらしい。いつものにやけながらのセリフを喋る演技がなかったのが判別できなかった一因かもしれない。彼の映画はとりあえずほとんど観てきているのに見逃がしていたことが不思議だった。評判が悪過ぎたのかなぁ。題名も確かな記憶があるのに不思議だ。そんな見過ごしは良くあることと言われればそれまでだが。
『3つの鍵』(Tre piani/Three Floors)
2021年・イタリア/フランス 監督/ナンニ・モレッティ
出演/マルゲリータ・ブイ/リッカルド・スカマルチョ/アルバ・ロルヴァケル/ナンニ・モレッティ
それぞれの家族にはそれぞれの生き様がある。ただし、一生縁を切るような関係性はそんなに簡単に発生するわけではない、普通の場合。凄絶な時間を過ごす個人にとっては、家族であるからこその深く大きな苦悩がある。そのまま絶えた関係性を修復できぬままに生き分かられて死に顔も見られないこともある。たかが100年にも満たない人生なのに、そう目くじら立てて粋がって生きることもないだろうに。
『ブラッド・チェイサー 呪術捜査線』(The Ritual Killer)
2023年・アメリカ 監督/ジョージ・ギャロ
出演/モーガン・フリーマン/コール・ハウザー/ピーター・ストーメア/ミュリエル・ヒレア
おぞましい呪術の果てには生贄に似た儀式がある。世界中のいたるところで同じような痛ましい事件が起きているのだろう。生身を傷つけることなく精神的におぞましい集団は後を絶たない。そんなあり得ないことを信じてしまう人種は、一体どうやって子供頃からの成長をしてきたのだろうか。ちょっと考えれば分かるようなことに騙されて、自分の貴重な人生をダメにしてしまう人間がいることが哀しい。
『アルファコード 未知なる能力』(Alpha Code/The First Key)
2020年・チェコ/アメリカ 監督/キオニ・ワックスマン
出演/ブレン・フォスター/デニース・リチャーズ/ランディ・クートゥア/マレク・ヴァシュート
地球外生命体がすでに地球に侵略している、という前提のもとにストーリーが展開されるが、優秀な人間の頭で考えられた屁理屈を見せつけられているようで何が何だかおもしろさが伝わってこない。残念ながら生きているうちに宇宙人の襲来なんて起こらないだろうし、地球以外に生物の発見もないだろう。いつまで地球が存在するのか分からいけれど、いつも言う宇宙のゴミにもなれないひとりの人間の存在なんて・・・・。
『碁盤斬り』
2024年(令和6年)・日本 監督/白石和彌
出演/草彅剛/清原果耶/中川大志/奥野瑛太/音尾琢真/市村正親/立川談慶/中村優子/斎藤工/小泉今日子/國村隼
おこがましくて大きな声では言えないが、武士の生き様が自分の人生をどこかに導いてくれていたのではないかと思う。他人に言えないことは墓場まで持っていくんだということを実行している。自分でさえもそんな事実があったなんて信じられないくらいに絶対他人に言わないことをいくつも持っている。それでいいのだ。 子供のころ観たチャンバラ映画の数はそんなに多くはなかったはずだが、心に焼き付いている武士の心得とやらが自分の心を縛っている。地球が丸いのも私のせいだとことあるごとに冗談ぽく言っているのは本心なのだよ。
『シーフォーミー』(Mira por mi/See for Me)
2021年・カナダ 監督/ランドール・オキタ
出演/スカイラー・ダベンポート/ジェシカ・パーカー・ケネディ/パスカル・ラングデイル/ジョー・ピング
<シーフォーミー>とは視覚障碍者を助けるアプリの名前だった。便利な世の中になってきた。スマホさえあれば自分の目となって指図をしてくれる人がいるなんて。それを悪用して窃盗を働くこの映画の主人公を見ていると、こんな奴はさっさと殺されてしまえと思えて仕方ない。ちょっと過激な傾向になってきた自分に驚く。さっさと迷惑になる人を抹殺するのは悪くない。逆差別のようにちやほやされている人種を見聞きすると無性に腹が立ってくる。
『放浪記』
1962年(昭和37年)・日本 監督/成瀬巳喜男
出演/高峰秀子/田中絹代/宝田明/加東大介/小林桂樹/草笛光子/仲谷昇
「花のいのちはみじかくて苦しきことのみ多かりき」林芙美子が作家として認められるまでを描いた作品を偶然にテレビ放映で観た。映画の中のセリフが気持ちいい。現在の会話のようにぼやけた、曖昧な、的を射ない言葉ではなく、はっきりと白黒をつける言い方に共鳴する。林芙美子本人の生き様からかもしれないが、見事な人生観に感服する。めったに知ることのない著名人の生き様の一端を垣間見る事が出来て嬉しかった。
『ヘル・ディセント』(The Lair)
2022年・イギリス/アメリカ/ハンガリー 監督/ニール・マーシャル
出演/シャーロット・カーク/ジョナサン・ハワード/ジェイミー・バンバー/レオン・オッケンデン
何ともはや、劇画・マンガの映画化はやりたい放題。アフガンを舞台にしてロシアの侵攻がどうのこうの、宇宙からの生物がどうのこうのと、幼心の作者たちの妄想を受け入れている若者たちは、一体何が真実で何が重要なのかなんてどうでもいいのだろう。浅はかな若者が多く出現するのは社会が悪いなんて誰が言った。悪いのは本人とほんの少しの親の責任でしかない。